
SES企業で働いていると、退職を考えたときに次のような不安が出てくるのではないでしょうか。
- プロジェクトの途中でも辞められるのか
- 退職の意思は自社と常駐先のどちらに伝えるのか
- 契約期間が残っていると損害賠償を請求されるのか
- 今の会社を辞めて、次の転職先が見つかるのか
- そもそもSESを辞めたいと思うのは甘えなのか
結論からお伝えすると、SESで働いているから退職できないということはありません。
ただし、SESでは所属会社と常駐先の両方が関係するため、一般的な退職以上に「誰に・いつ・どの順番で伝えるか」が重要です。
私は元SEで、現在はキャリアアドバイザーとして転職支援に携わっています。これまでの相談でも、「SESを辞めたいけれど、会社との契約や常駐先への影響が怖くて動けない」という悩みは少なくありませんでした。
この記事では、SESを退職する手順や伝え方だけでなく、今すぐ辞めるべき人・まだ辞めない方がよい人の判断基準、退職前に確認しておきたい転職先まで解説します。
SES退職の結論
- 退職意思は常駐先ではなく、まず所属会社へ伝える
- 円満退職を目指すなら、就業規則を確認して1~2か月前を目安に相談する
- 案件終了時が理想だが、プロジェクト途中だから退職できないわけではない
- 心身の限界でなければ、退職前に応募できる求人を確認しておく
- 「SESを辞めること」より「次の会社で何を変えるか」を決める
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目次
SESはプロジェクト途中でも退職できる
SESを辞めたい人が最も不安に感じやすいのが、「常駐先との契約が残っているのに、自分だけ辞めてもよいのか」という点です。
ここでは、常駐先との契約と自分の雇用契約を分けて考える必要があります。
常駐先との案件契約と自分の雇用契約は別に考える
SESでは、所属会社と常駐先企業の間で業務に関する契約が結ばれています。一方、自分自身が雇用契約を結んでいる相手は、基本的に所属しているSES企業です。
そのため、自分の退職については、所属会社との雇用契約や就業規則に沿って進めます。
常駐先との契約期間が残っているからといって、労働者本人が契約終了まで必ず働き続けなければならないとは限りません。後任者の選定や常駐先との契約調整は、基本的には所属会社が対応する範囲です。
ただし、会社に何も伝えず、突然常駐先へ行かなくなるのは避けましょう。所属会社と常駐先の双方に迷惑がかかるだけでなく、退職後に必要な書類や手続きでもトラブルになる可能性があります。
無期雇用と有期雇用では退職ルールが異なる
雇用期間に定めのない契約では、民法上、退職の申し入れから2週間で雇用契約が終了するとされています。
ただし、これは法律上の最終的な基準です。会社の就業規則に「退職希望日の1か月前までに申し出る」などの規定がある場合は、まずその内容を確認しましょう。
引き継ぎや常駐先との調整を考えると、円満退職を希望する場合は1~2か月前を目安に伝えるのが現実的です。
一方、契約期間が決まっている有期雇用では、無期雇用と同じように「2週間前に伝えれば必ず辞められる」とは限りません。契約途中の退職には、やむを得ない事情などが必要になる場合があります。
なお、1年を超える有期労働契約では、契約開始から1年が経過した後に退職できる制度もあります。一部例外があるため、自分が有期契約の場合は雇用契約書を確認してください。
詳しいルールは、厚生労働省「確かめよう労働条件」や大阪労働局の退職に関するQ&Aでも確認できます。
「途中で辞めたら違約金」は原則として認められない
労働基準法第16条では、労働契約に違反した場合の違約金や、損害賠償額をあらかじめ決めておくことが禁止されています。
- 入社1年以内に退職したら10万円を支払う
- プロジェクト途中で辞めたら研修費を全額返還する
- 退職によって契約が終了したら一律で損害を賠償する
ただし、労働者の行為によって現実に発生した損害の請求まで、すべて禁止されているわけではありません。厚生労働省の資料でも、事前に賠償額を決めることと、実際に生じた損害の請求は分けて説明されています。
会社から「損害賠償を請求する」と強く言われた場合は、その場で支払いに同意せず、発言やメールなどの記録を残してください。個別の状況については、労働局や弁護士などへの相談を検討しましょう。
注意
ここで紹介している内容は一般的な制度の説明です。個別の契約やトラブルについては、専門機関へご相談ください。
SESを円満退職する7ステップ
SESを円満退職するには、会社へ退職意思を伝える前の準備が重要です。
「辞めたい」と思ったその日に退職届を出すのではなく、次の順番で進めましょう。

ステップ1|辞めたい理由と次に変えたいことを整理する
最初に整理したいのは、今の仕事の何がつらいのかです。
- 客先常駐という働き方自体が合わない
- 現在のプロジェクトや人間関係が合わない
- 希望する案件に入れない
- 自社の評価制度に納得できない
- 単純作業が続き、スキルが身につかない
- 給与が上がる見通しがない
- 上司や営業担当に相談しても改善されない
同じ「SESを辞めたい」でも、原因によって解決方法は変わります。
客先常駐そのものが苦痛なら、別のSES企業へ転職しても同じ悩みを抱える可能性があります。一方で、現在の案件だけが合わないのであれば、案件変更によって解決できるかもしれません。
現役キャリアアドバイザーの視点
キャリア相談でも、「SESが嫌」という言葉を掘り下げると、実際には評価制度や営業担当のフォロー、担当工程に対する不満だったというケースがあります。「何から離れたいか」だけでなく、「次の会社で何を変えたいか」まで考えておきましょう。
ステップ2|雇用契約書と就業規則を確認する
- 雇用期間に定めがあるか
- 退職の申し出は何日前までか
- 退職届の提出先や会社指定の書式
- 有給休暇が何日残っているか
SES企業と常駐先の契約期間ではなく、自分と所属会社の雇用契約を確認するのがポイントです。雇用契約書が見つからない場合は、労働条件通知書や社内システム、就業規則を確認してください。
ステップ3|希望する退職日から逆算する
- 現在の案件が終了する時期
- 契約更新の時期
- 引き継ぎに必要な期間
- 残っている有給休暇
- 転職先の入社予定日
- 賞与や社会保険への影響
案件終了や工程の区切りに合わせられれば、常駐先への影響を抑えやすくなります。
ただし、体調を崩している、ハラスメントを受けている、賃金未払いがあるといった場合まで、プロジェクトの終了を待つ必要はありません。
健康上の問題がない場合は、転職先を決めてから退職する方が安全です。退職後は収入が途切れるため、「早く次を決めなければ」という焦りから、本来避けたかった求人を選びやすくなるからです。
ステップ4|所属会社の上司・営業担当に伝える
退職意思を最初に伝える相手は、常駐先ではありません。
- 所属会社の直属上司
- 担当営業または人事
- 所属会社と調整した後に常駐先
会社によっては、直属上司より担当営業への連絡を先に求められることもあります。就業規則や社内ルールに従ってください。
ステップ5|退職日を確定して退職届を提出する
上司との面談後は、会社のルールに従って退職届を提出します。
一般的に「退職願」は会社に退職を申し出る書類、「退職届」は確定した退職意思を届け出る書類として使われます。ただし、会社によって名称や扱いが異なるため、指定書式がある場合はそちらを使用してください。
提出日や提出先が分かるように、コピーやメールなどの記録も残しておくと安心です。
ステップ6|所属会社と調整して常駐先へ報告する
常駐先への報告は、所属会社とタイミングや伝え方を決めたうえで行います。
- 現在担当している業務
- 未完了のタスク
- 定期的に実施する作業
- 障害や問い合わせの対応履歴
- 業務で使用している手順書
- 後任者が注意すべきポイント
引き継ぎ資料を丁寧に作成しておくことは、円満退職のためだけではありません。「手順書を作成した」「属人化していた業務を整理した」「後任者へ業務説明を行った」といった経験は、次の転職でも業務改善力や引き継ぎ能力としてアピールできます。
ステップ7|有給消化と退職後の手続きを確認する
- 有給休暇の消化日程
- PC・入館証などの貸与物返却
- 離職票
- 源泉徴収票
- 雇用保険被保険者証
- 健康保険や年金の切り替え
- 住民税の支払い方法
退職日までは在籍しているため、残っている有給休暇を取得する権利があります。
退職日以降へ有給取得日を変更することはできないため、会社は退職直前の有給申請に対して時季変更権を行使できないとされています。詳しくは厚生労働省「年次有給休暇」を確認してください。
ただし、引き継ぎと有給消化が重なると調整が難しくなります。退職日を決める段階で、有給残日数も含めて相談しておきましょう。
辞めるか迷っている段階でも求人は確認できます
退職届を出してから転職先を探すと、収入への不安から求人選びで妥協しやすくなります。在職中に「今のSES経験でどこを狙えるか」だけでも確認しておきましょう。
誰に・いつ・どう伝える?SES退職の切り出し方
退職する意思が固まっていても、上司や担当営業へ切り出すのは気が重いものです。
SESの場合は自社の上司と普段ほとんど会わず、どのように面談を依頼すればよいか分からない人もいるでしょう。

まずは面談の時間を取ってもらう
最初の連絡で、退職理由を長く説明する必要はありません。次のように、相談したいことがあると伝えて面談時間を確保します。
面談を依頼するメール例文
お疲れさまです。
今後の働き方についてご相談したいことがあり、ご連絡しました。
30分ほどお時間をいただくことは可能でしょうか。
オンラインでも問題ありませんので、ご都合のよい日時をご教示いただけますと幸いです。
退職意思が固まっている場合でも、メールやチャットだけで完結させず、面談の場で正式に伝える方がスムーズです。
面談では結論から伝える
退職意思の伝え方例文
お時間をいただきありがとうございます。
今後のキャリアを検討した結果、○月末で退職させていただきたいと考えています。
現在のプロジェクトへの影響をできるだけ抑えたいと考えていますので、退職日や引き継ぎについてご相談させてください。
「退職しようか迷っています」と伝えると、案件変更や待遇改善の話になり、退職手続きが進まないことがあります。
本当に退職する意思が固まっているなら、「退職を検討しています」ではなく「退職したいと考えています」と明確に伝えましょう。
退職理由は前向きなキャリア目標に置き換える
退職理由を聞かれたときに、会社や常駐先への不満をすべて伝える必要はありません。
運用保守から設計・構築を目指す場合
これまで運用保守を経験してきましたが、今後は設計や構築まで担当範囲を広げたいと考えています。現在の環境で実現することが難しいと判断し、転職を決めました。
社内SEを目指す場合
客先常駐ではなく、一つの会社やシステムに長く関わりながら業務改善に取り組みたいと考え、社内SEを目指すことにしました。
ここで重要なのは、今の会社を批判することではなく、今後の方向性を伝えることです。
引き止めに対しては「条件」ではなく「意思」を伝える
- 次は希望する案件に入れる
- 給与を上げる
- 契約が終わるまで待ってほしい
- 後任が決まるまで残ってほしい
- 今辞めると経歴に傷がつく
条件が変われば残りたいと思っているなら、提案を検討しても構いません。一方、退職意思が変わらない場合は、細かい条件について反論し続けるのではなく、次のように伝えます。
引き止めを断る例文
ご提案いただきありがとうございます。
ただ、今後のキャリアを考えたうえで決めたことですので、退職の意思は変わりません。引き継ぎについては最後まで責任を持って対応します。
プロジェクト途中・引き止め・退職拒否への対処法
SESの退職では、所属会社から案件契約や常駐先への影響を理由に引き止められることがあります。
「プロジェクトが終わるまで辞められない」と言われた場合
プロジェクトの区切りに合わせて退職するのが理想ではありますが、案件終了まで何年も残っていることもあります。
まずは、雇用契約や就業規則に基づいて決めた退職希望日を伝え、引き継ぎ期間について相談しましょう。
所属会社と常駐先の契約が残っていることと、自分の雇用契約が終了することは分けて考える必要があります。
「後任が決まるまで退職できない」と言われた場合
後任者を採用・配置するのは会社側の役割です。
引き継ぎに協力する必要はありますが、後任が見つからないことを理由に、退職日を無期限に延ばす必要があるとは限りません。「○月○日までであれば引き継ぎに対応できます」と、対応できる期限を明確に伝えましょう。
損害賠償を請求すると言われた場合
その場で支払いを約束したり、会社が用意した書類へすぐ署名したりしないでください。
- 雇用契約書
- 就業規則
- 会社から送られたメールやチャット
- 面談日時と発言内容
- 退職届の提出日
- 引き継ぎ対応の記録
実際に請求を受けた場合は、労働局や弁護士などへ相談しましょう。
退職届を受け取ってもらえない場合
まずは、所属会社の人事や別の上司へ相談します。口頭だけでなく、メールや書面など意思表示をした日付が分かる形で残しておくことも重要です。
会社との話し合いが進まない場合は、厚生労働省の総合労働相談コーナーを利用できます。退職だけでなく、配置転換、賃金、いじめ・嫌がらせ、パワハラなど幅広い労働問題を無料で相談できます。
退職代行は最終手段として検討する
通常の退職であれば、まずは自分で所属会社へ伝える方が円満に進めやすいでしょう。
- 上司から強いハラスメントを受けている
- 会社と連絡を取るだけで体調が悪化する
- 退職意思を何度伝えても取り合ってもらえない
- 会社から脅すような発言を受けている
- 家族や医師から休むよう勧められている
条件交渉や法的なトラブルが予想される場合は、サービスごとの対応範囲を確認し、労働組合や弁護士、公的相談窓口も検討してください。
SESを辞めたいのは甘えではない|退職すべきかの判断基準
SESを辞めたいと思うこと自体は甘えではありません。
客先常駐は、人によって合う・合わないが分かれやすい働き方です。環境が変わることを楽しめる人や、複数の業界・案件を経験したい人には向いています。一方で、一つの会社やサービスに長く関わりたい人、自社の上司から直接評価されたい人には負担になることがあります。

今すぐ環境を離れることを検討した方がよい人
- 眠れない、食欲がないなど心身に不調が出ている
- 長時間労働が常態化している
- ハラスメントを受けている
- 賃金未払いがある
- 契約時の説明と実際の業務が大きく違う
- 会社に相談しても対応してもらえない
この状態では、転職活動を完璧に進めてから退職しようと無理をする必要はありません。休職や医療機関、公的相談窓口の利用も含めて検討しましょう。
在職中に転職活動を始めた方がよい人
- 同じ単純作業が続いている
- 担当工程が広がる見込みがない
- 何年働いても給与がほとんど上がらない
- 現場で評価されても自社の評価に反映されない
- 希望する案件を何度伝えても配属されない
- 営業担当や上司から具体的なキャリア提案がない
- 次の案件も同じような業務になる可能性が高い
この段階であれば、今すぐ退職する必要はありません。求人を見て、今の経験でどこを狙えるのか、希望する転職先に何が不足しているのかを確認します。
案件変更や社内異動を先に相談してもよい人
- 不満があるのは現在の案件だけ
- 所属会社の待遇や人間関係には大きな不満がない
- 希望する案件を扱う別部署がある
- 受託開発や社内開発部門への異動実績がある
- 研修や資格支援制度が実際に機能している
- 上司がキャリア相談に具体的に対応してくれる
今の会社で希望する経験を積めるなら、転職せずにキャリアを変える方が、年収や勤続年数を維持できる場合もあります。
経験年数だけで退職を判断しない
「SESは3年で辞めるべき」「1年未満の転職は不利」といった意見もありますが、年数だけで判断するのはおすすめしません。
転職で見られるのは、何年在籍したかだけでなく、その期間に何を経験したかです。
| 現在の状況 | 判断の目安 |
|---|---|
| 入社1年未満 | 心身の問題がなければ、案件変更や経験の積み上げも検討 |
| 経験1~3年 | 担当工程と使用技術を棚卸しし、求人を確認する時期 |
| 開発・構築経験2年以上 | 自社開発・受託・事業会社・上流工程も比較 |
| 運用保守・ヘルプデスク経験 | 社内SE・情シス・インフラ構築補助も候補 |
| 30代以降 | 年齢より、他社でも再現できる経験や役割を整理 |
現役キャリアアドバイザーの視点
面談では、「SES経験しかない」と自分の経歴を低く見積もっている人が少なくありません。しかし、障害の切り分け、顧客との調整、手順書の改善、新人への説明、進捗管理なども、応募先によっては十分な評価材料になります。SESという会社形態ではなく、案件内で担当した役割まで整理することが重要です。
開発・インフラ構築経験が2年以上ある人
自社開発・事業会社・上流工程を目指す場合は、テックゴーとレバテックキャリアが比較候補です。紹介される求人だけでなく、自分の経験への評価や入社後の担当工程も比べてください。
客先常駐をやめて社内SEを目指したい人は、社内SE転職ナビの特徴と注意点も確認してください。
SESを辞める前に準備すべき4つのこと
会社を辞めると決めたとしても、すぐに退職意思を伝える必要はありません。
1.案件経験を採用側に伝わる形で棚卸しする
- どの業界の案件か
- どのようなシステムか
- プロジェクトの規模
- 担当工程
- 使用技術
- 自分が担当した範囲
- 工夫・改善したこと
- 周囲から任されていた役割
たとえば、「インフラ運用を担当」だけでは、具体的な経験が伝わりません。
経験の整理例
Linuxサーバーの監視、アラート発生時のログ確認、一次切り分け、担当部署へのエスカレーションを担当。対応履歴をもとに手順書を更新し、新しく配属されたメンバーへの業務説明も行った。
重要なのは、担当業務を大きく見せることではありません。自分が実際に行った作業と、任されていた範囲を採用担当者がイメージできる形にすることです。
2.次の会社で変えたい条件に優先順位をつける
- 客先常駐を避けたい
- 自社開発に関わりたい
- 設計・構築へ進みたい
- 年収を上げたい
- リモートで働きたい
- 残業を減らしたい
- 評価制度が明確な会社へ行きたい
- 一つのシステムに長く関わりたい
「絶対に外せない条件」「できれば叶えたい条件」「今回は妥協できる条件」の3段階に分けると、求人を選びやすくなります。
3.在職中に応募できる求人を確認する
求人票には「開発経験2年以上」「インフラ経験者」と書かれていても、テスト経験が含まれるのか、運用保守から応募できるのかは企業によって異なります。
転職エージェントを利用する場合は、次の2点を確認しましょう。
- 現在の経験で応募できる求人
- 希望する転職先へ進むために不足している経験
求人紹介を受けたからといって、すぐに応募する必要はありません。現職に残るべきか迷っている段階でも、判断材料として市場価値を確認できます。
4.内定・退職・入社日の順番を決める
- 経験を棚卸しする
- 求人を確認する
- 応募・面接を進める
- 内定条件を確認する
- 所属会社へ退職を伝える
- 退職日と入社日を調整する
先に退職すると、収入への不安から内定を急いでしまいます。
キャリア相談でも、退職後の焦りから「本当は客先常駐を避けたかったのに、早く決まった別のSES企業へ入社する」という選択につながることがあります。
在職中であれば、内定を断って現職に残る選択もできます。転職できる状態を作ったうえで、実際に辞めるか判断しましょう。
SESを辞めた後の主な転職先
SES経験者の転職先は、自社開発だけではありません。現在の担当工程や今後伸ばしたい分野によって、現実的な選択肢は変わります。
| 転職先 | 活かしやすい経験 | 注意点 |
|---|---|---|
| SIer・受託開発 | 開発・テスト・設計・顧客対応 | 客先常駐が含まれる場合がある |
| 自社開発企業 | 実装・設計・Git・チーム開発 | 技術選考への準備が必要 |
| 社内SE・情シス | 運用保守・問い合わせ・ベンダー調整 | 企業によって仕事内容の差が大きい |
| インフラ・クラウド | 監視・運用・障害対応・サーバー経験 | 構築経験やクラウド学習が求められる |
| 条件の良い別SES | 特定技術・複数案件の経験 | 配属・評価・待機時の条件確認が必要 |
客先常駐そのものを避けたいなら、求人名だけでなく、実際の勤務場所や案件形態まで確認してください。「自社内開発」「社内SE」と書かれていても、一部で客先常駐を行っている企業があります。
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転職後に同じ後悔を繰り返さない求人の確認ポイント
SESを辞めることだけを目標にすると、転職先でも同じ悩みを抱える可能性があります。

担当する業務と工程が具体的か
「幅広い案件」「スキルに合った仕事」「上流工程に挑戦可能」といった表現だけでは、実際の仕事が分かりません。
- 入社後に想定される案件
- 担当する工程
- 使用する言語・クラウド・ツール
- チームの人数
- 自社社員と一緒に配属されるか
- 運用から設計・構築へ進んだ実績
客先常駐と自社内業務の割合
面接での質問例
現在、エンジニアのうち何割が客先常駐でしょうか。私が入社した場合に想定される勤務形態も教えてください。
「自社内案件もあります」という回答だけで判断せず、自分が配属される可能性まで確認しましょう。
案件を決める仕組み
- 本人の希望をどの段階で確認するか
- 案件を断ることはできるか
- 待機中に別案件を選べるか
- 希望と違う案件を紹介された場合の対応
- 案件変更を相談できる頻度
現場での評価を誰が給与に反映するか
- 評価面談の頻度
- 評価する人
- 常駐先評価の反映方法
- 昇給基準
- 単価と給与の関係
- 資格取得や担当工程の変化が評価対象になるか
「年1回昇給」だけでなく、何を達成すれば給与が上がるのかまで確認します。
待機時の給与と研修内容
- 待機中も給与は全額支給されるか
- 待機期間中の研修内容
- 自宅待機か出社か
- 資格学習だけで終わらないか
- 次の案件が決まらない場合の対応
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SES退職についてよくある質問
SESを辞めたいと思うのは甘えですか?
甘えではありません。客先常駐が合わない、自社から評価されている実感がない、希望する案件に入れないなど、SES特有の悩みはあります。ただし、現在の案件・所属会社・客先常駐のどれが原因なのかを整理せずに転職すると、次の会社でも同じ悩みを繰り返す可能性があります。
プロジェクト途中でも退職できますか?
プロジェクト途中だからという理由だけで、退職できないとは限りません。ただし、無期雇用か有期雇用かによってルールが異なります。雇用契約書と就業規則を確認し、所属会社へ早めに相談してください。
常駐先へ自分から伝える必要はありますか?
自分の判断で常駐先へ先に伝えるのは避けましょう。まず所属会社の上司・営業担当へ伝え、常駐先への報告時期や方法を調整します。
退職は何か月前に伝えるべきですか?
円満退職を目指すなら、就業規則を確認したうえで1~2か月前を目安に伝えるのが現実的です。法的な基準と、引き継ぎを含めた実務上のスケジュールは分けて考えてください。
有給休暇は消化できますか?
退職日までは在籍しているため、残っている有給休暇を取得できます。ただし、引き継ぎとの調整が必要になるため、退職日を決める段階で有給残日数を伝えておきましょう。
30代でもSESから転職できますか?
30代でも転職は可能です。ただし、年齢よりも、担当工程や他社でも再現できる経験が重視されます。実装、設計、インフラ構築だけでなく、顧客調整、障害対応、業務改善、後輩指導なども整理してください。
転職先が決まる前に辞めても大丈夫ですか?
心身の不調や労働トラブルがある場合を除き、基本的には在職中に転職活動を始める方が安全です。退職後は収入への焦りから、希望条件と違う求人を選びやすくなります。
退職代行を使うべきですか?
通常は、自分で所属会社へ退職意思を伝える方が円満に進みやすいでしょう。ただし、強いハラスメントや体調不良があり、会社と直接連絡を取ることが難しい場合は選択肢になります。
まとめ|退職を伝える前に次の選択肢を確認しよう
SESで働いていても、雇用契約や就業規則に沿って退職手続きを進めることはできます。
退職意思は常駐先ではなく、まず所属会社の上司や担当営業へ伝えましょう。案件途中であっても、会社と退職日・引き継ぎ・常駐先への報告方法を調整することが重要です。
ただし、心身の限界でなければ、退職届を出す前に転職先の可能性を確認してください。
転職で失敗しないために必要なのは、「SESを辞めること」だけを目標にするのではなく、次の会社で変えたい働き方や担当工程を決めることです。
今の経験で応募できる求人と、不足している経験が分かれば、転職する・社内異動を相談する・現職でもう少し経験を積むという判断がしやすくなります。
今のSES経験で狙える転職先を確認したい人へ
開発・運用保守・インフラ・テストなど、担当してきた業務によって合う相談先は異なります。自分の経験に合う転職エージェントを比較してから選びましょう。