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SESとは、”システム・エンジニアリング・サービス” の略称です。
よく派遣と何が違うのかと問われますが、”指揮命令は発注側と受注側のどちらが行うのか”の違いだけですので、ほとんど同じと思って頂いて構いません。
このSES業界で働くことに対して、ネガティブなイメージを持っている人も多いですね。
- 仕事がなくなったら切られそう
- スキルアップができなさそう
- 勤務地が安定しない
- やりたくない仕事もやらされそう
- 残業が多そう
- 案件が変わる毎に、顧客との面談があるのは面倒
- 待遇面がしっかりしてなさそう
- とにかくきつそう
などなど、私が聞いたことのあるSES業界に対するネガティブなイメージです。
このイメージが全て正しいわけではありません。
仮に全てイメージ通りということであれば、SES業界で働く人はいなくなると思います。
SESの会社と一言で言っても、会社毎に特徴があり、強みや弱みも様々です。
そこでこの記事では、SES業界で働くメリット・デメリット、そしてSESの優良企業の見分け方ついて解説していますので、是非ご覧ください。
SES業界で働くメリット
それぞれ見ていきたいと思います。
様々な業界に触れる機会がある
Web、金融、官公庁、医療、教育、広告、小売、メーカーなど、クライアントの業界は様々です。
業界によってシステムの特徴、現場の雰囲気も異なりますので、それらを直に経験できることはメリットとして大きいと言えます。
様々な技術、開発手法に触れる機会がある
業界毎によく使われているプログラム言語やOS、ミドルウェアも異なります。
そのため、エンジニアとして幅広い技術に携わっていくことができる点はメリットと言えるでしょう。
自社開発になると、良くも悪くも自社の強みである技術を生かす傾向にあるため、あまり幅広くというわけにはいきませんが、常駐型の場合は、クライアント毎に求められるスキルが異なるため、
仕事が合わなければ現場を変えればいい
「勤務地が遠すぎる」、「一緒に働くメンバーと反りが合わない」、「スキルアップできない環境だ」ということが起こったとしましょう。
そんな時は現場を変えたらいいんです。
これのどこがメリットなのかと思った人もいるでしょう。
想像してみてください。これがじゃあ、自社開発の会社だったらどうなるでしょうか?
現場を変えることはできません。
ということは、”転職”するしかないんです。
SESだとこの辺りが自由なんです。
逆に言えば、どんなにいい環境の現場だったとしても、変わってしまう可能性を否定できません。
しかし、代わりにリスクを抑えることができることは事実としてあります。
現場を変えるには、個人の判断では難しい場合もありますが、契約期間は3ヵ月更新であることが多いため、あらかじめ営業担当の方との相談が必要にはなります。
ようはその現場が合わないと感じたら、契約期間はとりあえず我慢して、その後別の現場に移ればいいんです。
これは自社内で働いてる人はそうは行きません。
現場は社内一つなので、そこを辞めたいと思ったら転職するしかありません。
でもSESであれば、転職する必要がないことはメリットだと思います。
プロジェクト毎に勤務地が変わる
契約期間毎に担当するプロジェクトが変わるため、その都度勤務地も変わることになります。
ただし、IT業界の仕事は東京に集約されているため、東京近郊に住んでいる人であれば、引っ越しが必要となることは稀です。
これによるメリットは”職場のマンネリ”を防ぐことができます。
色んな勤務地に行くということは、人間関係も変わりますし、新しく学べることも多いはず。総じて刺激をもらうことができるはずです。
未経験歓迎の求人が多い
自社勤務の求人は即戦力を求めている場合が多いです。
そうなるとどうしても未経験からエンジニアを目指している人にとっては厳しいですよね。
その点、常駐型SEであれば未経験歓迎の求人数が多いため、その分エンジニアとしてスタートするチャンスが多いと言えます。
これからエンジニアになろうと考えている人にとっては、ここはメリットと言えるでしょう。
SES業界で働くデメリット
SES業界で働くデメリット
それぞれ見ていきたいと思います。
勤務地が安定しない
プロジェクト毎に勤務地が変わるなんて、どこに住んだらいいのかわからない。
家を建てようにも、勤務地が変わる可能性があるんだと検討しようがない。
自社勤務であればそういったことがありませんね。
プロジェクト毎にクライアントとの面談がある
正社員として働いているのに、仕事をするために面談をしなきゃいけないなんてと思いますよね。
慣れてくれば普通のことに感じるようにもなりますが、正直めんどくさいと感じることの方が多いと思います。
一人で常駐する場合もある
周りのメンバーがみんな他の会社の社員だとすると、自分はいったいどこの会社に在籍しているのか?と感じることもあるでしょう。
チームで常駐していれば、そのようなことはないと思いますが、少し寂しい気もしますよね。
商流が深いと経験が積めない
SES業界の一番の問題点はここだと思います。
商流というのは例えば、【顧客→大手Sier(元請け)→子会社A(2次請け)→3次請け→4次請け→5次請け】このように、仕事が次の会社、次の会社へと流れていくことを商流といいます。
ここで、3次請け意向は”商流が深い”と言い、多くの場合上流工程を経験していくことができません。
契約の関係上、仕方なく3次請けとなっているような場合もありますので、そういった環境であれば経験を積むことは可能ですが、商流が深いとこでばかり仕事を行っている会社だと、エンジニアとしての成長は見込みにくいと言えます。
評価制度がしっかりしていない
エンジニアあがりの経営者であったり、いわゆる技術者主体の会社であれば、評価制度もしっかりとした会社が多いのですが、営業あがりの経営者であり、営業主体の会社の場合、評価制度はあってないような会社があることは事実です。
なぜなら、”技術のことをあまりよくわかっていない”からです。
流行りの技術やエンジニアを現場にアサインさせるための知識はあるでしょうが、技術の中身についてはほとんどわかっていないという営業担当も多いです。
これでは評価しようにもどうのような基準で評価したら良いのか、わからなくて当然ですね。
評価がしっかりとされないと、相場よりも低いお給料で働くことになりかねないので注意が必要です。
SES優良企業の見分け方
SES企業を見分ける時のポイントについて、それぞれ見ていきましょう。
待遇面は書面でもらう
転職活動の話になりますが、内定をもらった場合、口頭ベースではなく、しっかりと書面で条件を確認するようにしてください。
書面がないと、後から言った言わないの世界になってしまいますので、条件に関して証明できるものを確認してから入社を決めるようにしてください。
また、書面を出してくれないSES企業には絶対入社しない方がいいと断言できます。
書面を出せない理由はどこにもなく、あとから会社の都合に良いように条件を変えてしまう可能性があるからです。
面接でどれだけ好印象だったとしても、書面で条件を提示してくれない会社は信用するべきはありません。
どんな技術者が在籍しているのか
あなたの想い描く未来のエンジニア像に当てはまる人がその会社にいるとしたら、それ以上に参考になるものってないんじゃないかと思います。
AIやIot、フィンテック、仮想通貨のブロックチェーンなど、トレンドの技術に携わってる人がどれぐらいいるのか、トレンドでなくてもあなたが携わりたいと思っているシステムや技術のことをわかってる人が社内にいたら心強いですよね。
このあたりは面接で質問するのが良いです。
ホームページの情報だけでは信憑性に欠けてしまうため、直接聞いて確かめるようにしてください。
尚、技術系の質問に関しては、面接では好印象となりやすいので、どんな技術者がいるのかも確認できて、一石二鳥ですよ。
尚、もしもこの質問に対して、
- 「Web系の人が多いです」
- 「インフラ系が中心です」
こんな風にざっくりとした回答だった場合は、社員のスキルをちゃんと把握できていないと言えます。
つまり、社員のキャリアをあまり考えていない会社とも言えるので、できるだけ避けましょう。
プロジェクト(現場)はどのように決定しているか
ここはいくつかポイントをあげておきますね。
- 社員の希望は聞いているか?
- キャリアのことを考えて現場を決めてくれているか?
- エンジニアと営業担当との関係値構築はちゃんとできているか?
- 現場の相談はしやすいのか?
- 入社して最初はどんな仕事を担当する可能性が高いのか?
- 常駐先はどんなところがあるのか?
このよう質問をすることで、入社後のイメージもつきやすくなると思いますし、むしろ全部確認した方がいいです。
特に「常駐先はどんなところがあるのか?」については、ホームページなんかにも主要取引先として公開されていることが多いです。
その中に大手企業であったり、一般的に有名な会社が含まれているのが理想です。
もしそういった会社が一つも見当たらない場合は、いわゆる2次請けや3次請け中心の会社と見て間違いないでしょう。
尚、面接での質問のしすぎは要注意と言われていますので、内定を取った後に確認するのがタイミングとしてはいいでしょう。
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ITエンジニアが面接で使える逆質問を例文付きで解説します。
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帰属意識のために何か取り組んでいるか
SES企業の場合、本社にいることが少ないので、帰属意識が薄いとか低いとう話しをよく相談されます。
帰属意識を高めるための取り組みを行なっている会社は、少なからず社員のことを考えている会社です。
例えば、”一人では絶対常駐させず、チーム体制で常駐してもらう”とかもそうですね。
帰属意識への取り組みに対して、会社としてどのような狙いがあるのかを聞いてみるのも、会社選びの参考になると思います。
何も取り組みをしていなければ、常駐させてほったらかしの状態となっているので、こういった会社も危ないです。
会社の今後の方向性
もしかすると、今はSESのみ行っている会社も、今後自社勤務の割合を増やしていこうと考えているかもしれません。
様々な業界のお客様が今はいるかもしれませんが、一番ノウハウの溜まっているweb系の仕事を専門分野としてこれからはやっていこうとしているかもしれません。
このように、会社の今後の方向性を知ることで、あなた自身の考える将来像とミスマッチになっていないかを確認することはとても大切です。
注意
いいことを言うだけなら誰にでもできてしまうので、その方向性に向かって、今どんな取り組みをしているのか、を確認するようにしてください。
「今後は自社サービスを作っていきたい」と、言ってるだけで実際は何もしていない会社もたくさんあります。
なのでできれば「〇〇のような自社サービスを作っていきたいと思っているので、××の技術について社内で勉強会を開いてみんなで取り組んでいます」などのように、今後に向かって取り組んでいる姿勢があれば信用できます。
まとめ
SES業界で働くメリットやデメリット、優良企業の見分け方について紹介させて頂きました。
メリットとデメリットは表裏一体となっているケースも多く、捉え方によってメリットにもデメリットにもなりうることが多いです。
しかし一つ言えることは、SES業界は悪い会社ばかりではないですし、ちゃんと評価制度のある会社、チーム体制で取り組める会社、長く働ける会社もたくさんあります。
また、特に未経験からの転職の場合は、「内定とれたからもうここに決めちゃおう!」と、入社をすぐに決めてしまう人もいますが、時間が許す限りじっくりと検討してから決断した方がいいです。
入社してから、「イメージと違った」となってしまっては遅いので、そこからまた転職活動するのも大変ですし、経歴も1つ増えてしまいますので、いいことがありません。
尚、一人で判断が難しい場合には、転職エージェントの利用しましょう。
転職エージェントであれば、求人企業に対してちょっと聞きづらい質問(平均残業時間や離職率、有休取得率など)も、代わりに確認して教えてもらうことができます。
おススメはIT業界に強く、未経験者向けに研修サービス(Java, PHP, インフラ)も提供しているワークポートです。
研修サービスは無料で受けることができるため、まだ勉強を始めていない人は活用しない手はありません。
研修は必ず受けなければいけないというものではありませんので、担当者に面談で話を聞いてみてからの判断でOKです。
SES企業は選び方が難しいところがあるので、転職エージェントの担当者にも相談しながら、ちゃんと経験が積める会社を選択するようにしてくださいね。
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