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こんな疑問を抱いている方に、ITエンジニアにとってコミュニケーションがどのように必要になるのか解説したいと思います。
コミュニケーション力によって評価や昇給が左右されることもあるため、コミュニケーションの取り方の基礎についても合わせて解説していきます。
ITエンジニアにコミニケーション力が必要な理由
コミュニケーション不足はプロジェクトの失敗に直結してしまう可能性があります。
だからコミュニケーション力が求められるのです。
具体的に3つのシーンをあげたいと思います。
顧客とのコミュニケーション
SIでよくある光景となりますが、顧客の要望を聴き、また、開発側としての主張も顧客に伝えることで、「どのようなシステムを作るのか」をお互いが同じように認識をする必要があります。
しかし、システム開発のプロジェクトは失敗しやすいと言われる理由がここにあります。
顧客が要望しているものと、開発側が作ろうとしているものが、コミュニケーションがとれていないためにずれてしまうんです。
認識のずれたものを作ってしまうと、どれだけ開発側として完成度が高いものを納品できたとしても、顧客からすれば望んでいないものなので、そのプロジェクトは失敗と言えます。
認識のずれをなくすためには、相手の話を良く聴き、相手の目的を理解することと同時に、開発者としての意向も相手に理解してもらうことが必要です。
そこでコミニケーションスキルが必要となります。
チーム内でのコミュニケーション
上司や先輩、あるいは後輩もいるかもしれません。
チームでは、システムを完成させるといった目的に向かい、協力しあって進めていきます。
協力し合うためには、意思疎通を行わなくてはいけません。
誰か1人でも進捗が遅れれば、それはチームとして納期を守れなくなる可能性が出てきてしまいます。
そんな時はチームで助け合い、チームとしてシステムを納期までに完成させるという目的を果たせるように務める必要があります。
言うまでもありませんが、チームリーダーはメンバーひとりひとりの進捗を確認し、必要に応じてフォローができるような体制を作っておかなければいけません。
つまり、
- チームとしての自分の作業は順調なのか
- つまづいていたりしないか
- 担当箇所は納期に間に合いそうか
- 何かトラブルは起きていないか
このようなことはチーム内でコミュニケーションをとりながら、報告、連絡、相談を正確に行うことで、チームとしていい結果に結びつきやすくなります。
他部門とのコミュニケーション
例えばあなたが開発担当者であれば、インフラ部門や営業部門、デザイン部門とのやりとりも発生するでしょう。
プロジェクト内での確認事項は部門を超えて行う必要があるため、コミュニケーション力がないと、意思疎通がしっかりとできません。
- うっかり伝え忘れてしまって
- あまり親しくない人の話すのが苦手で
- 別部門の人って何を考えてるのかわからなくて
これではプロジェクトの結果は悲惨なものとなるでしょう。
他部門といっても、仕事で関わる以上は同じプロジェクトチームになります。
同じプロジェクトチームということは、同じ目的に向かっているので、コミュニケーションをとって協力することが必要です。
また、オペレーション部門とも連携がとれなければ、ユーザーへの対応が疎かになってしまうこともありえます。
チーム内や顧客に対してだけでなく、他部門とも連携をとるためにコミュニケーション力は求められます。
元々エンジニアにコミュニケーション力は必要なかった?
少し余談となりますが、コミュニケーション力が特に求められるようになったのは、2008年のリーマンショック以降です。
リーマンショック以前のエンジニア=オタク
リーマンショック以前、ITエンジニアは作業者であり、オタクとも言われるような時代がありました。
無口でパソコンに向かって何やらカタカタやってるというイメージです。
スマホもなければ、パソコンも1人1台という時代ではまだありませんでしたので、そんな時代にパソコンに向かって1日中作業する姿は、周りの人たちからすると少し異様な光景にも見えていたことでしょう。
今とは随分と印象が違いますよね。
システムを作りさえすれば売れる
当時はまだシステム化が今よりも進んでいなかったことまあり、とにかくシステムを作れば高く売れる時代でした。
だからこそ、ITエンジニアはとにかく作ることに専念して、顧客対応はコミュニケーション力に自信のある営業に全て任せようといった具合に、ITエンジニアはコミュニケーション力がなくてもスキルさえあればいいとされていました。
リーマンショックを機に仕事の進め方も変わった
リーマンショックを境に、システム導入を考える顧客に対し、専門的な知識を持った者が説明しないと納得してもらうことができなくなりました。
技術のことをわかっていない営業のトークだけでは売れにくくなってきたということです。
また、自社サービスを展開するにも、需要を捉え、開発スピードをあげるために設計図を作らず、その代わりコミュニケーションを密にとりながら開発を進めていく手法(アジャイル開発)が主流になってきました。
こうしてITエンジニアには顧客への対応が求められるようになり、開発を進めていくにも、コミュニケーション力が求められるようになってきたんです。
コミュニケーション力によって評価が変わる
確かに実績やスキルも大事です。
資格をとれば、機械的に資格手当は支給されるようになる会社も多いと思いますが、コミュニケーション力によって評価が変わることもあることは知っておくべきです。
評価は人の感情によって変わる
この先、AIによって人が評価される時代がくるかもしれませんが、2021年時点では会社内で評価をしているの人間です。
評価には、目に見える実績だけでなく、評価をする人の感情が加わります。
好意を持ってもらえていれば、「あいつは頑張ってるからな」となると思いませんか?
あなたが評価する立場だったらどうでしょう?
極端ですが、嫌いなタイプの人には、「あいつはこの程度でいいか」となってしまう可能性を否定できません。
つまり、コミュニケーションによって良い印象を持ってもらえれば、自ずと評価も上がりやすい傾向にあるというわけです。
「ひたむきに頑張っているし、実績も作っているはずなのに評価をされない」
もしもあなたがこのように感じているのであれば、それは普段からのコミュニケーション不足、あるいは人から好かれるような話し方ができていないことが原因かもしれません。
評価されたり成功する要因は、人に好かれること
評価されている人や成功している人からその要因を聞くと、
- 周りの人が助けてくれた
- 尊敬する人が引っ張りあげてくれた
というお話をよく聞きます。
これは偶然ではなく、その人が人から好かれるような話し方ができているから、そういったチャンスをものにすることができたと言えます。
好かれているから、助けてあげようと思ってもらえたってことですね。
人から好かれる話し方について、私は以下の「好きになられる能力 ライカビリティ 成功するための真の要因」という本がすごく参考になりました。
話し方の例文がたくさん紹介されているので、「あー確かにこういう人いる!」と納得できるものが多かったです。
興味がある人は是非読んでみてくださいね。
コミュニケーションの2つの基礎
まずコミュニケーションとは、相手と自分がそれぞれの言っていることを理解し、お互いに同じ認識を持つことです。
認識にずれが生じたということは、コミュニケーションがうまくとれず、理解ができなかったということになります。
面白おかしく話すことがコミュニケーションではありませんので、そこの意味ははき違えないようにしてくださいね。
それではコミュニケーションの2つの基礎を紹介したいと思います。
傾聴の姿勢を持つこと
コミュニケーションの第一段階は「聴く」ことです。
傾聴とは、「耳」「目」「心」を傾けて、真摯な姿勢で相手の話を聴くコミュニケーションの技法です。
「聞く」と「聴く」
どちらも「きく」という意味ですが、「聞く」の方は、聞こえてくるという意味合いですね。
一方の「聴く」は、聴き耳を立てるという意味になります。
全然違いますよね。
そして相手と話す時は、「聴く」でなければいけません。
- 相手の話に耳を傾ける
- 体も相手の方に向ける
- 他の作業をしない(これだと「聞く」になってしまう)
- 相槌を打って話を聞いていることを相手に知らせながら聴く
人の話を聴く時にこれらはできていますか?
コミュニケーションの第一歩は、相手の話をしっかりと聴き、相手の話をしっかりと理解することから始めましょう。
傾聴の姿勢ができていなければ、コミュニケーションは成り立ちません。
結論から話すこと
しっかりと聴くことができた次は、「結論から話す」です。
結論から話すというのは、相手の質問に対して、答えから伝えるということです。
例えば、上司とこんな会話があったとしましょう。
例1
上司:「A社からの開発受注は決まった?」
部下:「実は1点トラブルがありまして、A社より納期を前倒しして欲しいと急に変更依頼があったんです。それで他のメンバーにも相談して...」
いかがですか?
一見コミュニケーションは成り立っているようには見えますが、これだと最初に結論を伝えることができていません。
部下が話しているところまでを見ると、受注が決まったかどうかがわからないですよね。
例1で上司が聞いているのは、「受注が決まったかどうか」です。
そのため、部下の答え(結論)は、「まだ決まっていません。なぜなら...」
という具合に、受注が決まっていないという質問に対する答えをまずは伝える必要があります。
もう一つ例をみてみましょう。
例2
顧客:「既存のシステムからデータ分析をすることはできますか?」
開発担当:「データ分析をするには、まずは分析したい期間のデータを抽出して加工を施す必要があります。その上で開発工程としては...」
いかがですか?
例2で顧客が聞いているのは、「データ分析できるのかどうか」です。
そのため、開発担当の答え(結論)は、「はい、できます。」なのか、「いいえ、できません。」というように結論をまずは伝えましょう。
質問をしたのに結論(答え)が返ってこないと、コミュニケーションは先に進みません。
もしかすると、例2で言えば、顧客は開発担当者の説明を聞いたあとにもう一度、「それで、データ分析はできるんですか?」と質問しなおさないといけなくなる可能性が高いです。
質問をしなおさないといけないことほどめんどくさいものはありません。
結論から話すことができないと、認識のずれが起こりやすく、本題からも逸れてしまう恐れがあり、最悪、相手を怒らせてしまう可能性だってあります。
質問に対しては、まずは結論(答え)から伝えることで、相手からもちゃんとコミュニケーションがとれる人だと思ってもらえますよ。
メモ
質問された時には、「結論から言うと」と、最初に言うようにすると、自然と結論から話すことになりますので、慣れるまでは使ってみることをオススメします。
まとめ
ITエンジニアにコミュニケーションが必要な理由を解説してきました。
昨今では特に将来在宅でも働けるようになるためという理由で、プログラミングに取り組む方も増えてきていますが、在宅で仕事をする時にも、コミュニケーション力は必要です。
作業中は基本的に会話はしないのでコミュニケーションいらないんじゃないかと思われがちですが、仕事を受注するためにはコミュニケーション力が欠かせません。
コミュニケーションがとれない人に、開発の仕事をお願いしようと思う人はほぼいないでしょう。
「コミュニケーションがちゃんととれる=信頼できる」ということにも繋がります。
あなたは周りの人たちとちゃんとコミュニケーションがとれていますか?
自分の言いたいことだけ言って、相手の求めている答えを話せていないってことはありませんか?
「自分は大丈夫」ではなくて、「ちょっと見直してみようかな」と思ってもらえたら幸いです。
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