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今回はフリーランスのインフラエンジニアとして、月額80万円程稼いているエンジニアの方にお話を伺わせて頂きました。
高単価のインフラエンジニアの方はどんなスキルを持っているのか、現在抱えている悩みや今後習得したいと考えているスキル、案件獲得のために登録しているエージェントについても聞いてみました。
是非ご覧ください。
経歴のご紹介
- 年齢:39歳
- 性別:男性
- 学歴:トライデントコンピュータ専門学校 情報処理学科 卒業
- ITエンジニア歴:19年
- 現職:フリーランス
- 単価:75~80万円/月
- インタビュー実施日:2022年4月
現在の業務内容について
フリーランスのインフラエンジニアをしていて、主にSIerでお客様先に常駐して仕事をしています。
現在携わっているプロジェクトは、企業のオンラインバッチシステムのリプレース案件で、私はAIXやRHELなどのサーバーOSの設計・構築を担当しています。
公共系のシステムで、エンドユーザーは公務員さんなどになります。
1日のスケジュールは常駐先の勤務形態にあわせて9時~17時半まで作業を行っています。
プロジェクトのフェーズによって1日のタスクはまちまちですが、朝会・夕会は始業前後にチームで行っています。
フリーランスのため残業という考え方はありませんが、月間140~180時間以内の時間に収まるよう調節しています。
大丈夫ですよ。
案件にもよりけりなところはありますが、月単価は75~80万円ぐらいですね。
もちろんフリーランスになっていきなりその単価ではなく、最初の頃は60~65万円のレンジでした。
ITエンジニアとしての強み
インフラエンジニアとしてのサーバーOSおよびデータベースの設計・構築スキルです。
OSはRHELやUNIX系、データベースはOracleが得意です。
設計では顧客の非機能要件をヒアリングし設計に落とし込んだり、構築ではAnsibleなどを使って効率的に構築してます。
データベースは性能面も重要ですので、性能を考慮した配置設計も行っています。
持っている資格はLPIC2とオラクルマスターSilverを持っています。
また、ミドルウェアについてはデータベースが得意ですが、それ以外ですとMQやHULFTやクラスタウェアが経験が多いと思います。
ポイント
サーバーOSとデータベース周りを得意とされていて、関連した資格も取得されているのはキャリアとして充実していると感じます。
また、サーバーは大きくWindows系とUnix系(Linuxも含まれます)に分かれますが、官公庁や金融などはWindows系であることが多く、その他のWebサービスにはUnix系が用いられることが多いです。
一言でインフラエンジニアといっても、業種によって求められるスキルは異なります。
そのため、キャリアを考える上で、「どんなシステムに携わりたいのか、そのシステムを担当するのに求められるスキルは何か」、をあらかじめ調べておくのはおすすめです。
仕事上での悩み
フリーランスで働いていますので、何かのきっかけで仕事がなくならないかは常に不安に思っています。
例えば、大きな失敗をしてしまった場合の突然の契約終了や、コロナ禍などによる自分以外の原因で仕事を失うなどです。
悩みは解消するわけではないですが、そういった場合のために、顧客の窓口は複数持つように取り組んでいます。
常駐先で知り合った人に営業したり、常駐先で他社さんが仕事を紹介してくれる機会があれば積極的にコミュニケーションを取るようにしています。
案件獲得できるかは別として、相談できる窓口は9くらいありますね。
内訳はこんな感じです。
案件の相談窓口
- 現在の取引先1
- エージェント3
- フリーになってから繋がった知人3
- 元会社や取引先だった人2
エージェントはフリーランスになりたてのときに1年程度利用しました。
その後は現場の人経由の紹介で別案件を紹介していただいています。
まだ顧客数が少ないときにエージェントさんに案件を紹介いただけるシステムは、営業力がない駆け出しのフリーランスエンジニアにとっては非常にありがたいと感じます。
私が登録しているエージェントは、ギークスジョブ、レバテックフリーランス、アイソルの3社です。
ポイント
案件の相談先が多ければ、それだけ安定して仕事を獲得できるチャンスに繋がると思います。
フリーランスとして活動していく上で、人との繋がりはほんとに大事だと感じますね。
ITエンジニア駆け出しの頃について
新入社員で配属された現場が汎用機のCOBOLプログラマーとして参画しました。
プログラムはあまり得意ではなかったため、当時はこんな複雑で長いプログラムを書くのは嫌だなあと考えながら働いていた記憶があります。
結局大した成果を挙げられず契約を切られてしまったときは悔しかったり今後このままやっていけるか不安になっていました。
その後は上司にインフラエンジニアの案件を紹介してもらいOracleデータベースの担当者になりました。
そこでの作業は非常に楽しくて周りからも認められ始めたことから人それぞれ向いている仕事と向いていない仕事があって、向いている方に進んでいかなければならないと考えるようになりました。
たまたま始めたインフラエンジニアは現在18年続いています。
ポイント
仕事にも様々な「縁」がありますよね。
今回の方は、元上司からたまたまなのか、上司がこの方の素質を見抜いていたのかはわかりませんが、COBOL→Oracleに担当が変わったことで、その後の人生が一変したように感じます。
ITと言えばプログラミング、と捉えられていることも多いですが、他にもサーバーやデータベースなど技術領域が異なるものもあれば、コンサルタントなど仕事の領域が異なる職種だってあります。
もしあなたが今、担当している技術及び仕事領域に対してが少し違うと感じているのであれば、視野を広げてチャレンジしてみてもいいのではないかと思います。
今後のスキル習得について
AWS関係の仕事をしたことがないためAWSを経験してみたいなとは思ったりします。
知り合いやフリーランス仲間と話しているとAWSの案件が増えているなという印象ですし、公共系のシステムでも使われはじめています。
仕事の選択肢を増やす意味でプロフェッショナルまではいかなくても使えたりちょっとした設計・構築ができたらいいかなと思います。
全くの未経験ですのでAWSとそれ以外を使用する案件があれば受注してみたいです。
具体的な勉強はまだしていません。
ただ、フリーランスの知り合いに、Udemyというオンラインセミナーのサイトを紹介してもらいましたので受講を検討中ですね。
ポイント
転職の経験について
正社員としての転職は1回しています。
その時はdodaに登録して相談へ行き、面談対策なども行って頂いたのですが、最終的にはdoda主催の転職フェアで実際の転職先が決まりました。
転職フェアのメリットは、多くの企業の情報を集中して集めることができ、且つブースで担当さんとお話することでよりリアルな企業の雰囲気や理念を知ることができることだと思います。
エージェントさんも色々情報はくれますが、やはりリアルな担当者から聞けるリアルな情報が一番という感じですね。
デメリットというデメリットはないように感じますが、しいて言えば会場を歩いていると3歩あるくと話しかけられるくらい、企業さんから声掛けが多かったので、限られた時間で自主的に企業さんの情報を集められる雰囲気だったらなお良かったかなとは思いました。
優先度の高い順に、働き方、給料、月の稼働時間、仕事内容で考えていました。
働き方については、管理職ではなく、いち担当者として現場で働くことができること。
給料は転職前より下がらないか。
月の稼働時間は残業時間が月に何時間になるか目安を聞き、最大40時間以内になること。
仕事内容は転職前と同様、インフラエンジニアとして得意を活かせること。
ですね。
ポイント
転職の際は、優先順位を考えておくことで転職に失敗しにくくなります。
「なんとなくよさそう」ではなく、明確に希望に合致した企業と面接を実施することに繋がるからです。
尚、あまりに条件が多すぎるとマッチする仕事を探すことが難しくなってしまうこともあるため、許容範囲も考えておけるとよりいいと思います。
おすすめの書籍
翔泳社出版の「OSの仕組みの絵本」です。
絵本というだけあって初心者の頃に読む書籍としては非常に読みやすかったです。
「~の絵本」シリーズはいろいろ出版されていて、TCPIPやUNIX系の書籍も読んだりしました。
もう一つ、DB2を担当する際に読んだ「即戦力のDB2管理術」も良かったです。
技術評論社が出版していて、古い書籍ではありましたがデータベース共通の設計の考え方が多く記載があり、なぜの考え方をするのかなど設計者目線で書かれていてよい書籍だと感じました。
ITエンジニアとしてのやりがい
お客様に評価や信頼をいただいてるなと実感したときです。
特にやりがいを感じたエピソードとしては、当時メンバーとして関わった企業システム構築案件を大きな問題なく成功させたのですが、5年後のリプレース案件のときに「彼がいい」と個人指名で呼ばれたときです。
1メンバーとして参画していましたのでお客様からみて私はあまり印象には残らないんだろうと思っていましたが、誠意を持って仕事をしていれば誰かが見てくれているんだなと実感しました。
リプレース案件ではプロジェクトリーダーとして参画し、そこでも成功させることができました。
案件の最終日にお客様の上席に「次回もよろしくね」と言っていただけたことが嬉しかったです。
過去の自分へのアドバイス
「どんな人でも得意なことは必ずあるよ、得意なことを見つけてそこだけ誰よりも努力していこう」、と言葉をかけます。
学生の頃から成績も良いわけではなく周りの人と比べて劣等感を感じることが多かったので自信を持てない日々が続きましたが、今までの経験から人間1つでも自分に合った分野やスキルがあると気づいたため伝えたいです。
この度はインタビューに答えて頂きありがとうございました。
まとめ
今回はフリーランスインフラエンジニアとして、Unix系サーバーの設計構築が得意なエンジニアの方にお話を伺わせて頂きました。
現在高単価案件を受注している方でも、最初からうまくいっていたわけではなく、得意なことを見つけてそれを伸ばすことで現在に至っているというお話は非常に興味深かったです。
また、フリーランスでも安定的に仕事受注できるように、様々なチャネルを使い分けていらっしゃるのはすごくいい戦略だと感じましたね。
今後のキャリアを考える参考になりましたら幸いです。
平均年収800万円以上
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