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今回は新卒で入社したSES企業で、経験6年目となる女性エンジニアの方にお話を伺いました。
Javaでの開発を得意とされていて、PHP、Pythonの実装経験もある方です。
「Javaが出来ればどの言語の現場に行ってもあまり困らない」という言葉が印象的でしたね。
現在は要件定義も担当されていて、上流工程の経験も積み始めている方になります。
是非ご覧ください。
経歴のご紹介
- 年齢:28歳
- 性別:女性
- 学歴:関関同立 文系学部卒業
- ITエンジニア歴:6年
- 現職:SES
- 年収:500万円
- インタビュー実施日:2022年4月
現在に至るまでの業務経験について
新卒で入社したSES会社で6年間勤めており、これまで複数の現場に関わってきました。
直近では会社から「上流も出来る要員となって欲しい」という要望もあり、現在は大手SIerさんの現場で製造実行系システムの要件定義メンバーとして関わっています。
これまでに担当してきたシステムとしては、社内情報管理、BtoCサービス、社内サービス間の連携システム構築など様々です。
2年目まではPG・UTまでがメインでしたが、3年目以降からは任せていただけるフェーズが増え、主にUI〜ITまでを担当するというのを繰り返しています。
システム環境はクラウド/オンプレ、言語はjava,PHP,Perl,Python,HTML等を主にやってきました。
ただ特に経験言語等で現場を絞られたことはないので、行った現場で使われている環境を作業しながら覚えていくことが多いです。
はい、現在の要件定義終了後も設計・開発は引き続き関わっていく予定です。
特に開発フェーズでは自社の若手社員も参画させて、実装を経験させてたいなと思っています。
私自身も設計と開発が一番好きなのでまだまだ触りたいですね。
現在は要件定義フェーズなのでお客さんとの打ち合せが主となっています。
そのため、大体9時〜18時までお客様及び内部メンバーとの打ち合わせを行っていますね。
打ち合わせ時間は変動しがちなので、あまり固定されたスケジュールはありません……。
打ち合わせの時に生まれた決定事項・検討事項を社内メンバーの打ち合わせ間で擦り合わせ・分担などを行い、その後要件定義時点で確定させるシステム機能の概要や詳細をまとめたり、次の打ち合わせの資料の作成を行っています。
定時内で済む日も、時間帯によっては定時後から内部メンバーでの打ち合わせが始まったりもします。
SES企業の良いところと悪いところは?
やはりSESなので色々な現場で幅広いシステムに関われるところがいいところだと思います。
現職では、どんな環境・言語で実装がしたい、上流から関わって一通りの流れを経験したい、などの個人の要望を聞いて現場に配属させてくれるので有難いですね。
おかげでしっかりと経験を積み上げることができています。
悪い部分としては、基本的にパートナー会社として開発に参画する為、マネジメント力は身につけにくい事だと思います。
管理側の立場となってもそれはこの会社の中だけでの管理者でしかないので……。
一般的なプロジェクトマネジメントのスキルを身につけていこうと思うのであれば、うちの会社ではないと思いますし、SES企業では難しいのでは?と感じてます。
ポイント
SESは経験が積めないと言われがちですが、このように社員の要望や成長を考え、配属する現場をしっかりと決めてくれる会社もあります。
ただし、プロジェクトマネジメントを担当するのは1次請けプロパーの方と相場は決まっているため、どんなにいいSES企業であっても経験を積むことは難しいでしょう。
そうなると転職が選択肢に入ってくると思いますが、マネジメントの経験が積みたい場合には、2次請け企業は避け、1次請けの会社を選択するのが吉です。
ITエンジニアとしての強み
具体的なスキルで言うとJava,PHP,Pythonは実装経験が多くあります。
特にjavaはStruts、JSF、Springなど主なフレームワークは大体経験しています。
環境はオンプレミス、クラウドどちらも経験してきており、開発対象も画面、バッチ、APIどれも満遍なくやってきたのでどの現場に行っても開発で困るということはあまりない所だと思います。
「Javaが出来ればどの言語の現場に行ってもあまり困らない」というのを入社当時に言われたことがあるのですが、確かにそうだなと思います。
現場によっては開発構築手順書がなかったり仕様書がなかったり、且つ説明もない環境に放り出されることもあります。
しかし、今までの経験で理解した内容で何とか出来ることが多く、そこまで困ったことはありません。
ポイント
プログラミングの構文はJava(もしくはC言語)を基本としていることが多いため、他の言語に対しても応用が利きやすいと言われています。
実際に今回の方はそれを実感されていますね。
PHPやRubyなんかと比較すると、Javaは難易度が高いとも言われますが、最初に苦労しておけば、後からスキルの幅を広げやすいという大きなメリットを得ることができます。
仕事上での悩み
現在の仕事というよりどこの現場でも感じることなのですが、チームメンバー全員の仕事に対する向き合い方がバラバラだと良いものは作り難いなあといつも思っています。
客先の社員の方、別のSES会社から来ているパートナーの方、フリーランスの方、様々な方と接していますが、みなさん考え方は様々です。
メンバーAさん
スケジュール内で最善を尽くして、最終的に良いシステムを提供したい!
メンバーBさん
ギリギリでも、お客様のOKが出る最低限のレベルで作ればいい。
こんな感じです。
良いものを作りたい気持ちが強すぎてスケジュールを全く考慮しない人もいますし、勤怠が悪く振られた仕事を全くやってくれない人なんかもいました。
考え方として何が良いかは本当に人によると思うのですが、結局作る人間同士のコミュニケーションが一番大事なんだと思います。
なので個人としてどこに行っても円滑にコミュニケーションを取る努力をする、という意識は持つようにしています。
誰かがやらなかったり、無理な意見を通せば誰かの負担が増えます。
お互いの意見や考え方を尊重しつつ、それを擦り合わせて仕事を進めるという意識の統一は大事だと感じます。
メンバーが良いPJは仕事もし易いし、結果的に評価されるような良い物が出来たことが多いですね。
ITエンジニア駆け出しの頃について
最初は自社の先輩が既に入っている現場にて新規開発システムの画面の一部を詳細設計から関わらせてもらいました。
ただ新人によくある「わからないことがわからない」状態で……。
研修でサーバー、言語、DBなどについて一応一通り勉強したのですが、文系未経験からのIT会社への入社だったことと単純に私の理解が悪く、そもそもシステムというものがそれらとどう結びつき合いながら、どう動いているのかが全くイメージ出来ていない状態だったんですね。
なので仕様書もコードも先輩のものを見ながら、「取りあえず動くそれっぽいもの」を書いていました。
2年目の時に入らせてもらったチームで、画面の設計・PGを基本一人で担当しなければいけなくなり、そこで初めてこのコードは何をやってるのか?各構成はどうやって繋がっているのか?を自分で必死で調べて考えました。
周りの人にも本当に沢山助けて貰いましたが、そこでようやく開発の基本を理解出来たという覚えがあります。
ポイント
ポジションが人を育てるという言葉がありますが、自ら考えなければいけない状況の時こそ、大きく成長できるチャンスがあるのだと思います。
実際に今回の方も、自分で必死で調べて考えたおかげで開発の基本を理解することができ、今のキャリアに繋がっているので、
今後のスキル習得とキャリアプラン
私は未だに基本情報も応用情報も持っておらず、それが地味にちょっと恥ずかしいとずっと思っているので、今年来年中には取りたいなと思っています。
うちの会社は未経験採用がほとんどで、持っていない人も9割以上で、別に誰かに求められているわけではないんですが……
また基本応用情報の知識が業務に直接役立つか?と言われると確かにそうではないというのも理解しつつ、ただITの仕事をする人間として基本知識はちゃんと持っておきたい、という気持ちがあります。
文系未経験出身だから尚更、という気持ちです。
どの現場に参画する場合も責任を持って頼りになるようなメンバーでありたいと思っているので、基礎をしっかりと持った上で、様々な知識を深く、出来るだけ多く身につけたいと思っております。
会社の雰囲気的にもあまり役職などはこだわりはないのですが、とりあえずあと1、2年はスキル取得の時期かと思っております。
特に上流フェーズに関してはまだ全然知識やスキルが足りないと実感しています。
そしてこれがある程度自分のものに出来れば、次は若手の教育に周りたいと個人的には思っています。
上流から下流まで全ての開発フェーズを一通り経験した上で、今の自分の会社に必要なエンジニアの育成を考えて関わっていきたいです。
また自分と同じように未経験で入ってきた子たちに、経験を活かしたアドバイスができれば良いなと思っております。
ポイント
経験10年ほどになると、リーダーを任されて後輩の指導・育成にも携わる機会が増えていくと思います。
また、この頃には、マネジメントの方向性でいくのか、技術のスペシャリストを目指すか、コンサル方面へ行くのか悩む人も多いと思います。
自分にとって何に一番やりがいを感じるのかは、仕事しながら自己分析していくのがおすすめです。
大学生の時の就職活動について
私は就活の時には特別やりたい仕事などが全くなく、取り敢えず手当たり次第に応募していました。
定番の「リクナビNEXT」「マイナビ転職」を両方利用していましたが、単純に使いやすさの好みとして「マイナビ」をメインに利用していました。
興味のある仕事というのは思いつかなかったのですが、ぼんやりと「物作り」がしたいという気持ちがありました。
そうだとすると企画などが最終的にできる職種が良いのかな?と思いつつも、もっと具体的に手を動かして作る仕事で何かないか……と最後まで探した中で見つけたのが、文系未経験採用を行なっているIT企業です。
IT系は理系の方しか受け付けないと思っていたのに、意外と多くあったので驚きました。
結局最初に応募した今の会社が一番雰囲気や条件も気に入って、且つ最初に内定が出た為そこに決めました。
他の業界では上手くいかなかった三次面接もIT系ではどこも通っていたので、自分の中のやりたいことと実際の仕事がマッチしていることは大事なんだなあと思いました。
IT系以外の会社も含めると、全部で30社くらい応募したと思います。
ESで落ちたことは無かったので面接自体は一応全て行ったかと思いますが、それ以降は落ちたり、一次の面接を見て行きたくないなと思って行かなかったこともあります。
面接でやっと会社の雰囲気が掴めたり、興味がある仕事ではないなと気づくことが多かったですね。
あと就活生同士のグループディスカッション形式の面接が何を求められているのかよく分からなくて、上手くいかなかったことが多いです……
社会人となった今でも何が正解か?と言われると分からないままですね。
ポイント
求人情報やホームページを見た時の印象と、実際に面接で話してみた印象とでは異なることが珍しくありません。
自分一人で考えるだけでなく、行動して色々と直接話を聞いてみることで、やりたいことを見つけることができたができたのではないかと感じますね。
経験6年目ということで、転職を考えたりはしないですか?
入社3年目の時でしたが、会社の求める人間と自分のなりたいSEの姿が違うのかもしれない、と思った時に転職を考えたことがあります。
SESは一つのシステムにずっと関わるわけではないので、変な話凄くプログラミングに強くなくとも、あまりシステムについて理解が出来ていなくても出来る現場は全然あるんですね。
実際私も分かっていないことは沢山あります。
しかし先輩に「別に詳しい人は他に沢山いるんだから難しい部分はその人達に任せて、自分達はある程度だけ出来れば良いんじゃない?」というような意見を言われた時に、会社としてはそちらが正しいのかも、と思いました。
しかし私は、もっと自分一人で出来るように沢山の知識をつける努力をしなければと考えていた為、自分の仕事の仕方に初めて疑問を持ちました。
もしかして私のなりたいエンジニアになるには今の会社ではないのでは?と思って、他の会社がどんな感じなのかを見るために転職サイトには登録しましたね。
転職サイトはOpenWorkとAMBIに登録しました。
OpenWorkは、実際に働いていた方の口コミがそのまま見れるところが魅力で、どんな人がどんな気持ちで、どんな仕事をされていたかという文章から、どういった会社なのかが見えやすいなと思います。
AMBIは開設がまだ新しく、また20代に特化しているということで登録してみました。
開設が新しいとまだ発展途上な部分はあると思うのですが、機能がシンプルで使い易いサイトの方が良いなと思い、口コミを読むのにOpenWork、具体的な採用情報を見るのにAMBIとこの二件だけにしています。
今もそのまま在籍しているのは、現場に入っている中で私の仕事のやり方や考え方を褒めてくださる方が有難いことに沢山いるんですよ。
そのお客さんからの評価がそのまま会社での評価にも繋がっており、私はそういう意思で仕事をしても良いのかもという結論に落ち着いたので、今はまだ現在の会社に貢献していきたいなと思っています。
ただ、情報収集として転職サイトの利用だけは続けています(笑)
おすすめの書籍
「図解入門よくわかる最新SEの基本と極意」ですね。
SEが何をする仕事なのか、具体的すぎず・浅すぎず書いてあります。
私は一年目の終わりぐらいに読んだのですが、実業務と重ねてあれはこういうことだったんだと分かることが多く、わからないまま行なっていた事による不安が少し紐解けた気がして、読んで良かったなと思いました。
ITエンジニアとしてのやりがい
何をしたいかの要件を聞き、それをどう実現できるかを考え話し合い、実際にプログラミングをして動く物を作る……という流れを通して仕事をする時が一番物を作っている、と感じて楽しいです。
個人的には具体的にプログラムとしてどう実現するのが良いかを考えて起こしていく設計作業が一番好きです。
また、開発に関わったシステムがリリースされて実際に使う人に届くのは結構先なことが多いですが、実運用されている方の声が良かった時はやっぱり凄く嬉しいですね。
過去の自分へのアドバイス
あれだけ不安だった仕事も6年続いて意外となんとかなるよ、というはもちろんなんですが、 私の場合その不安は「自分が理解していないこと」から来ていたことが今になって分かるので、理解する努力を最初からコツコツ進めよう、わからないことを完璧じゃなくても良いから少しずつ潰していこう、ということをアドバイスしてあげたいなと思います。
同じように「不安です」という新人や若い子にも、そうやって不安だと思うことが凄く大事だと思うので、その不安をなくす為にどうしたらいいか考えていこう、と伝えてます。
この度はインタビューに答えて頂きありがとうございました。
まとめ
今回は新卒でSES企業へ入社し、6年目となるエンジニアの方にキャリアインタビューさせて頂きました。
様々なシステム環境で技術の幅を広げ、上流工程も担当するようになり、今後はエンジニアの育成にも携わっていきたいという方向性をお持ちの方でした。
「不安だと思うことが凄く大事」という言葉は私は初めて聞きましたが、すごく納得の行くお話で、不安に思うことはいいことだと思うようにもなりました。
今後のキャリアを考える参考になりましたら幸いです。
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